総集編も放送されたところで、昨年ずっと楽しく観ていた「平清盛」の感想を軽ーく書きたいと思います。ツイッターの再録メインですが…。
まず、この時代を選択しながら、源平合戦は実にさらっと10~15分くらいで片付けてしまう程、「平清盛」という人物を描くことを徹底したことが凄いと思います!!
一般的には合戦が一番絵になるというか、華ですよね。ですが、そこはすでに清盛の死後…。放送前はどうするんだろ…?と思ったものです。
どうやって、何を思ってあそこまで上りつめたか、何故後世悪人扱いされるようなこともやらかしたかといった辺りを、丁寧に描いてくださいました。とても人間らしい平清盛が見られて、大満足です。
清盛を徹底的に描くにあたり、清盛が強く意識した義朝や頼朝は出番が多かった反面、木曾義仲、平教経などの結構重要なはずの人物が登場せず、若干寂しかった面もありますが、私としては、薄く広くよりも良かったと思います。敦盛最期なども見たい気はしますが、生きているエピソードのない人の最期だけやっても…と。
そして、「清盛は悪い人じゃないんだよ」ともせず、今まで注目されなかった面も描きつつ、悪行に至るプロセスも表現されていたところが良いと思うのです。途中主人公に対し殺意が湧くこともありましたが(苦笑)
さてさて、特に好きだった回を挙げていきたいと思います。順位はどうしても付けられないので、時系列に沿って参ります!
第15回、嵐の中の一門
家盛の死によって、いつもは冷静、穏やかな忠盛と宗子が動揺している中、清盛が最も落ち着いた、頼もしい行動をとりました。血が繋がっていないとはいえ、大切な弟。「家盛の兄でございます!!」と言い切った場面では、震えが来ました。
第22回、勝利の代償
保元の乱後、悪左府頼長の最期の回です。忠実に面会を拒否されて絶望し、言葉を発することもなく涙を流し、舌を噛み切る頼長を、そして、頼長の鸚鵡が「チチウエ、チチウエ…」と言って息絶えるのを見た忠実の絶叫を、涙なくして見ることができるでしょうか…!!
第23回、叔父を斬る
保元の乱で敵味方に分かれて戦った肉親を、斬れと命じられた清盛と義朝だったが、やはりそのときとなってみると「斬れませぬ…っ!」。
斬れと叱咤する忠正。お前の手で斬ってくれと頼む為義。忠正を斬った清盛。為義を斬れなかった義朝。そして、「もうよい…」と言う為義の優しい声…。
とにかく対照的に描かれ、それでいてどちらも魂を引き裂かれるような悲しみ、切なさでした。
清三郎の竹馬エピソードにも胸を締め付けられました…。
第37回、殿下乗合事件
重盛の次男・資盛が、摂政・基房に対し下馬の礼(というか牛車…)を取らず、無礼だと暴行される事件ですが、『平家物語』では怒った清盛が報復し、『玉葉』では重盛が報復しています。放送開始の頃から、『平家』ベースか、『玉葉』ベースか楽しみにしていたのですが、オリジナルで作ってくださいました!
報復は清盛の命で時忠の手の者が行い、一門は重盛がやってくれたと喜ぶ。重盛が行うまいと決めていた報復を自分の仕業と思われ、喜ばれるという二重の苦悩が見事でした。
第43回、忠と孝のはざまで
法皇を幽閉しようとする清盛を重盛が命がけで止めるシーン!今までもずっと苛まれ続けていたであろう、「忠と孝のはざまで」、とことん追い詰められてしまった感じの重盛の、儚くも頼もしい嘆願でした。重盛役の窪田さんの熱演が素晴らしかったです…!!
また、好きな回というよりも、もっとピンポイントで好きなシーンも挙げたいと思います。
第33回、清盛、五十の宴
清盛が夕陽を扇で差し戻すのは有名なシーンですが、ドラマでやるには無理があるだろう…と思っていました。しかし、皆がいい感じに酔っていて、夢か現か…という表現がとても好きでした!
第42回、鹿ケ谷の陰謀
『平家』では、白い布は弓袋用に用意されていたが、多田行綱が衣にしてしまったという内容だったと思いますが、大河では「源氏の旗」用として、成親の陰謀加担の証拠にし、さらに燃やしている様を見せつけることで露見を悟らせるという流れにしたところに、ぞくぞく致しました!!
うーん…語り尽くせない。最後に好きな人物行きましょうか!(笑)
ちなみに、11月29日のツイートでは、
「1位平重盛、2位藤原頼長、3位信西、4位崇徳院、5位平忠盛…でしょうか…。藤原成親とかも入れたい…。ああしかし、義朝とか由良御前とか兎丸とか家貞とか経子とかも…。 」
「清盛が好きだった時期もあります。今はちょっとアレなので、最後はかっこよく決めてくれるといいなと思いつつ、様子見中。」
最後まで観て、やはり清盛は好きでした。が、やはり大体上記のような感じで、順位は決められないです…!
知らなかったor高校日本史レベルしか知らなかったのに好きになった、頼長、信西、崇徳院、義朝が、大きな収穫だったなと思っています。現在勉強中…。
さすがに成親は演出のおかげだと思う;
そして、実は嫌いだった頼盛!好きになりました!!最終回で…!!
あ、まあ…こちらも大河限定な気も…しますが…。
1年間観てきて(2回見逃しましたが)、興味が広がり、本読みたいという衝動が暴走しています。
大河のおかげで、大変実りある、楽しい1年を過ごせたと思います。
追記
内容メインで書きましたが、演技・メイク・背景等も最高でした!前半は汚くてなんぼだと思います☆